島津さんの顔が離れると、
今度はアンナの顔アップが現れた。
「え、どうしたの?
……ちょ、うわっ!
アンナ、激しいよ!」
いつになく激しく、
彼女は俺の口周りを舐めまわした。
「ねえ、焼きもち?焼きもち、なの?!
どっちなのか、教え、て……!」
舐められるので切れ切れに
彼女に問いかけた。
俺に、なのか、彼になのか。
一体どっちなんだ!
それにしても。
ちょっと苦しいよ!
それでも君の愛は受け止めたいけど!
彼女は完璧に俺の上に乗り上げている。
積極的!
嬉しいけれど、身動きが取れない。
ちょっとソファーからずり落ちそうになり
ギブ!と、手で島津さんに助けを求める。
「こらアンナ、止めなさい」
さすがご主人様!
彼の一言で、アンナは再び、
元の位置に戻った。
「アンナ、君の熱い思いは
しっかりと受け取ったからね!」
俺の言葉に、
彼女はしっぽを振って、応えてくれた!
そして彼女のしっぽは島津さんの
顔面を軽くはたいている。
触れあってていいな!
……舐めるの止めたら止めたで、
ちょっと名残惜しいかもしれない。
心の隙間風をとめるために、
今度は両手でそれぞれ
島津さんの頭とアンナを撫でる。
あ、やっぱりこれいいな。
満足げな俺を見て、
彼の顔も少し緩んでいたのを確認した。
「笑うとちょっとアンナと似てますよね」
「……そうですか?」
ペットは飼い主に似るという。
羨ましいなあ、おい!
悔しくなったので、
彼の髪をぐっしゃぐしゃにしてやった。
それでも怒られませんでした!よかった!