少しの間蹴り続けていたけれど、
「もう嫌だこのマゾ!」
とか言って島津さんは蹴るのをやめた。
なんなんだろう、この兄弟。
あと、お兄さんが俺に
食べさせようとしたのは、
レバーの入ったアンナ専用だったらしい。
いじめだろうか。
SなのかMなのかはっきりしてほしいです。
「薄いクリーム色と、
茶色とどっちが好きですか?」
「なんなんですか?いきなり」
ちゃんとした人間用のクッキーを貰って
食べていると、唐突に島津さんが聞いた。
「まあいいから、答えてくださいよ」
「んー、どっちかって言えば、
クリーム色ですかね?」
アンナの毛色に近いしね!
「そうですか。ありがとうございます」
「どういたしまして?」
よく分からないけど、まあいいか。
今度はちゃんとソファーにアンナを挟んで
3人で並んで寛いでいる。
お兄さんは島津さんによって
どこかに追い払われました。
折角なので左手でクッキーをいただきつつ
右手でアンナと島津さんを交互に撫でる。
「……楽しいですか?」
「すっごい幸せですよ!」
ちょっと嫌そうな顔をしながらも、
抵抗も拒否もされない。
「やりにくくないですか?」
精一杯腕を伸ばしているからだろうか。
そんな事を聞かれた。
「え、でもこれが
ベストポジションですよ」
そう答えると、
島津さんはアンナをソファーから下ろした