気が付くと、
俺は島津さんの部屋の前に居た。
目の前には島津さんとお兄さん。
そしてアンナが
心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。
「……アンナ!
やっぱり君は天使のようだね。
いま一瞬お迎えが来たのかと
錯覚してしまったよ。
でももし君が連れて行ってくれるのなら
どこへだろうと、俺はついて行くよ!」
「大丈夫だった?
あのキツさは意識遠のくよね」
今もちょっと危ないのかなー?と
お兄さんは俺の頭を小突いてくる。
「やめろよ。
これ以上どうにかなったら困る」
「それ、すでに
どうにかなってるって事ですか?!」
前にも言われたけれど、失礼な。
「どう考えてもそうでしょう?
結構ヤバいじゃないですか……」
「島津さんの部屋の方がヤバいですよ!」
そう返すと、
ああ、あれは……と
本人もちょっと嫌そうな顔をした。
「香水をぶちまけてしまったんですが、
掛け布団の替えないし、
ラグにもかかったんですよね……」
臭いの元は主にその2つらしい。
だから、添い寝をしたアンナには
あまりキツくは移らなかったらしい。
「そうなんですか……
よく平気で寝れますね」
「結構馴れたんで……
流石に近々買い換える予定ですけど」
その方がいいですよ、アンナの為にも!