「起こして来たら?」

見かねたお兄さんが提案する。

「そしたらアンナ元気になりますかね?」

「なる、なる。
 だからぜひ起こしてきてよ」

「じゃあ、お邪魔します!」

勧められるままに、家の中へ入った。
アンナも一緒にと思ったら、
部屋の前で本人に何故か拒否された。


「……?どうしたの?」

「……ちょっとね、
 入りたくないんだよねー?」

お兄さんに答えるように、
アンナはまた小さく声をあげた。

「そして俺も嫌だから、
 どうぞいってらっしゃい」

お兄さんも入室拒否している。

……島津さんの部屋には
一体何があるというのだろうか。

ちょっと不安だ。