「俺と付き合っていただけるでしょうか。
あ、さっきのような感じで、
決して二股じゃないですからね?!」
二股ではなく、一夫多妻制……も違うか。
「お前はそれでいいのかよ!」
いつもの調子で言われるが、
今日は平手も何も飛んで来ない。
「だってだって、そのふわさら具合!
種類は違えどアンナに勝るとも劣らない
最高の触り心地ですよ!」
「髪の毛目当てなだけだろ?!」
「後から相手に惚れる事もあるんだって、
うちの両親が言ってました!
お見合い結婚だけど超仲良いです!」
微妙な表情を浮かべているけれど、
果たして彼の答えは、どうなんだろうか。
「……じゃあ、まあ、
よろしくお願いします」
照れ笑いを浮かべながら、彼は言った。
「はい!お願いします!」
返事を貰ったので、
再び頭を、今度は遠慮なく引き寄せた。
ちょっと抵抗されたけれど、
頬ずりすると、島津さんは固まったので
それをいい事に思う存分、
堪能させて貰う事にした。
もう片手は、アンナの頭の上に。
天国気分を味わっていると、
お姉さんはやっぱり爆笑している。
「そういう事で、お義姉さんも
どうぞよろしくお願いします!」
「うん、よろしくねー!」
笑いながらも、ちゃんと答えてくれた。
なんだかよくわからない事になったけど、
『この触り心地が、君の物だよ!』と
お姉さんが言うのでどうでもよくなった!
きっと明日からの俺も、幸せです。