「アンナ!どうかな!」

「ワン!」

「君も喜んでいるのかい?!
 アハハ、しっぽの振りがすごいね!
 嬉しいかい?俺は物凄く嬉しいよ!」



「本当に凄いね」

「……毎日ああなんだよ」



「どれぐらい嬉しいのかって言うとね、
 もうね、もうね、俺は毎日この服着るよ
 寧ろ他の服は捨ててもいいぐらいさ!」



「さすがにそれは駄目だよ!」

「まったく聞こえてないから、
 そういう事言っても無駄なんだ」



「でもアンナ、君に会う時は
 いつも清潔で居たいから!
 だからそれは我慢するよ!
 君も毎日服を着ている訳じゃ無いしね!
 あっ服を着ていない、着ていない……」

いけない想像をしてしまいそうだ。


「どうしよう!君が美しすぎて、
 ついつい脳内で擬人化という禁断の
 果実に手を出してしまう所だったよ!」



「……そっちの方が、
 まだ健全だと思いますよ」

「あれは、自分の世界に入ってるの?」



「君はそのままが1番美しいというのに
 どうして俺はそんな事を
 考えてしまったのだろうか……」



「あれ、アンタも同じの買ってたじゃん。
 着ないの?
 一緒にお揃いーってすれば?」

「……あれは観賞用。兼、予備」

「アンタの方がやばいんじゃない?」



「こんな俺を、許してくれるかい?」

そう尋ねると、
変わらずしっぽを振ったまま一声上げた。

「ありがとう、アンナ!
 君はまるで天使のようだね!」