「今姉ちゃんがアンナに着せてますから
 もうちょいしたら出てくると思いますよ」

「ありがとう、島津さん!!」


喜びのあまり、島津さんに飛びついた。

さっき抱きついてもいいって言ってたし、
何も問題は無いだろう。


「……そんなに嬉しいですか?」

「だってペアルックですよ!」

「……そう、ですね」


「うわっ、本当にすごい喜んでるね」

お姉さんが、家から出てきた。
その隣には、アンナが居る。


「アンナ!素敵だよ!
 やっぱり君には赤がよく似合うよね!」

Tシャツは、俺のも彼女のも、赤だ。
デザインも一緒で、正真正銘、お揃いだ!


「間違ってもここで着替えないでください
 とか言ってる間に脱いでんじゃねーよ!」

シャツのボタンをはずし終わったところで、
島津さんに取り押さえられた。

「だって、ペアルックなんですよ!
 すぐに着て並びたいじゃないですか!」

「ここ外だから!
 着替えるんなら中でしろよ!」

「でももう脱いでますから!
 ボタン付きよりもTシャツの方が
 着替え終わるの早いですから!」


そう訴えると、またもやため息をつき、
さっさと着なさいと言われた。