【7.お土産を頂けるそうです】
楽しい時間ほど、
短く感じるというのは本当だ。
アンナとの楽しい時間は
あっという間に過ぎ去ってしまい、
今日は島津さん一家が帰宅する日だ。
アンナも、自宅に帰ってしまう。
「でもこれは、お別れじゃないよ。
また、毎日会いに来るからね!
……ああいっその事君を連れ去りたい!
一緒に暮らしたいよ、アンナ!」
「貴方が家に来る方が早くないですか?
アンナを拉致したら、
とりあえず通報しますからね」
「島津さん、酷いです!
ちょっとの逢引きはご近所さんの
よしみで見逃してくださいよ!」
「そんな事より、
何か言う事は無いですか?」
……何だろう?
「アンナ、なんだか解るかい?
……あ、そうか!」
「アンナに話しかけると解るんですか?」
「アンナを預からせていただいて、
どうもありがとうございました!」
言葉と共に腰を45度ほど折り曲げると、
島津さんは呆れたようにため息をついた。