「っていうかそんな、
考えた事すら無いですから」
「……本当ですか?」
島津さんは、とても疑わしい目つきで
俺の事をじっと見据えている。
「本当です!
彼女を汚す事なんて、そんな……!」
「……まあ、信じてますけど」
「なら、そんな念押ししないでください」
「……どうもスミマセンでしたー」
投げやりに、言う。
「じゃあ、そろそろ出ますから」
「はい、行ってらっしゃい!」
手を振って言うと、
「行ってきます」
お土産買ってきますね、と
また珍しくも笑顔で彼は言った。
そんな感じでいつもより少し早めに
アンナに朝の挨拶を済ませ、
島津さん一家が出かけるのを見送るという
今日の任務は達成した。
彼女と共に、帰宅する。
今日は一日中、一緒に過ごせるね!