「ほら、お揃いですよ」

そう言って島津さんが取り出したのは、
黒い首輪だった。きっと、人間サイズ。

いや、彼女の物と、
大きさはあんまり変わらないか。

でも、


「……いや、違うじゃないですか」

アンナがいま着けているのは、
彼女の色によく似合う、赤い首輪だ。

彼の手にあるのとは、
色だけでなくデザインも違う。


「アンナのも、もう古いから
 丁度買い換えたんですよ。

 ほら、おいで。付け替えるよ」

もう1つ、首輪を取り出しながら
島津さんが呼ぶと、
アンナは喜んで寄っていく。

……さすが、ご主人様。