「はいはいはい…では、もう一度。初めから、説明して差し上げます」
そう言って、ベラベラとお経のようなことを言い出した瑠夏。
勉強なんてどうでもいいから、
……あたしの話を聞け。
睨むついでに、瑠夏の顔を見る。
色素の薄い髪。
シャンデリアの輝きにも負けないほどに綺麗な色。
黒縁メガネの奥には、青に近い澄んだ瞳。
シャープな顔。
見るからに、紳士という感じだ。
容姿は嫌いじゃないんだけど。
そのひねくれた性格が、駄目ね。
でも悪いとこもひっくるめて…
彼のことを想っているあたしがいるから、
またまた憎たらしい。
「はぁ、もう寝る」
逃げるようにしてベッドへと向かい、
布団を頭からかぶった。