朝、目が覚めると私を抱き締めていた本城くんはいなかった。 もう起きたのかな? ベッドの上でボーッとしていると部屋のドアが開いた。 「乃愛、起きたか?」 「おはよ、本城くん」 「麗でいい」 「麗……?」 「名前で呼んで。何か“くん”って呼ばれるの好きじゃないから」 ……そうなんだ。