「俺の観察力、すごいだろ」 「うん。ちょうどそれ思ってたところ」 「あ、笑った」 「え?」 本城くんは私の黒髪を指に絡めて微笑んだ。 「乃愛は学校で全然笑わないから。まっ、笑いたくても笑えないんだろうなって思ってた」 本城くんの言うことはすべて当たっている。 まるで私の心の中、見透かされている感じ。