「―――ろ。起き――。起きろ、乃愛」



私は乃愛と呼ばれて目を覚ました。


隣には本城くん。
ベッドの上にいる私。




「嫌な夢でも見たか?父親の」



ドクン



胸が跳び跳ねた。



……図星だから。

お父さんが私の長い黒髪を掴んで、殴るの。


痛い、痛いってどんなに泣き叫んでもやめてくれない。



とても、残酷な、夢。