「それじゃあまたね」

彼がベンチから立ち上がり、
荷物を持ち上げた。


「この電車に乗るの?」

彼は小さく頷き、バイバイと手を振った。



「因みに、何駅先?」

言いながら立ち上がると、
彼は少し驚いた顔をした。


「…6回目に止まる駅だったかな」


荷物を左手に持ち、右手を彼に差し出す。


「それじゃあ、行こうか?」


彼は微笑んで差し出された右手をとった。




いつも通りのくだらない会話をしながら、
これから先の事を考えてみる。



いつまでもずっと、
こうしていられたらいいな。