「ありがとう、お姉ちゃん。もう大丈夫だから。」
「そう?良かったわ。」



そう言ってレインを抱き締めていた手を話すルーシー。その様子を少し離れた所から見ている2人。その2人に気づくレイン。



「お姉ちゃん、この人達は誰?知り合い?」
「話すのを忘れてたわ。レイン、双子のエリックとクリスよ。2人共、妹のレインよ。」
「はじめまして、レインです。よろしくお願いします。」
「はじめまして、エリックだよ。」
「よろしくね、レインちゃん。」



携帯の時計を見て、驚くルーシー。



「大変!もうこんな時間!早く戻らないと。」
「ルーシー、どうしたの?」「私達、お店に戻らないと!2人共悪いけど、ごめんなさい!またどこかで!レイン行くわよ!」
「うん!じゃあまたどこかで!」



そう言って、2人は走って行った。



「やっぱニューヨークって、すげぇわ!犯罪がすぐ近くで起こるしよ。」
「そうだな、俺達も急ぐぞ!」



書いてある地図を頼りに再び歩き出す。この2人が向かう先は、バイト先のカフェ。本業をばれないようバイトでカモフラージュしている。彼らは2つの顔を持っている。昼間はカフェの店員、夜はスパイ。もちろん夜が本業。スパイだとばれたら・・・言わなくてわかるだろうが、最悪な運命が待っている。



なんとかカフェの前までたどり着いた2人。



「ここだ。」
「すげぇ、楽しみ!」



中に入る2人。2人を出迎えたのは、マスターとこれから一緒に働く事になるカフェの従業員。2人は驚いた。なぜなら、従業員の中に、さっきまで一緒だったルーシーとレインがいたのだから。