『当たり前だ、この少しの時間で人が変わるわけ無いだろう??』
若「そう、だな。
周りの状況はたくさん変わったけど」
岬の一歩先を歩く光太は、どこか遠くを見つめていた。
若「…本当に、たくさんあったと思う」
いつも明るい光太がやたらと静かで。岬は緊張を走らせる。
若「富も、幸福も、栄誉も名誉も。
すべてあの下剋上で奪われた。
でも、下剋上で気付くことはたくさんあったよ。
お前は、それに気づかしてくれた。
レギュラー落としたやつに、こんなこと言うのは変化もだけどさ…
ありがとな、椎名。」
頭が、くらくらとする。
ありがとう、だと?
『…っは?』
若「俺等、お前に感謝してる
もっと力つけて…強くなったら。
また改めて、お前らに…いや、
レギュラーに、試合を挑まさせてもらうよ」
頭を押さえて、光太を見る。
僕は、こんなこと望んでいないのに
僕は、僕は
なぜ…
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