由姫菜は泣きそうな顔をしたまま、僕に近寄ってくる。
僕は由姫菜を見つめ、言葉を待った。
≪わたし…貴方に伝えたいことがある…の…ッ!≫
『どうして…泣きそうな顔をしているの??』
≪…ッあのね…!≫
『…そうか、復讐劇がどれほどまでうまくいってるか気になってるんだね』
≪!≫
『大丈夫だよ、由姫菜。
君を裏切った奴全てに報復を遂げている
安心して。
もう泣かなくていいんだ』
≪違う…ッ
違うわ…!!!≫
大きな声を出した由姫菜に驚いて眼を見張ると、由姫菜は下を向いていた。
僕は少しだけ近寄る
『何が…何が違うの?』
≪間違ってる…
岬、貴方は間違ってるわ!!!≫
由姫菜の声が響くと同時にその場には強い風が吹き荒れる
岬は反射的に手を伸ばすが、届くことなく消えていく。
そして、またもう一度声が響いた
≪貴方は間違ってる…!!≫
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