保健室へ入り、適当に保健教師をあしらいベッドに入る。
僕がベッドには入る間際に、保健教師は外出することを伝えた。しばらくすると保健室から出ていく音がする。
今、保健室には僕以外誰もいない。
本物の静寂が僕を包んでいた
ベッドに入る頃には、ツキツキと痛む頭痛もズキズキと痛むようになっていて、考えを巡らせるよりも睡眠をとることが先決だろうと目を閉じた。
なんなのだろう、この頭痛は。
まるで…何かと何かを引き剥がすような痛みだ。
何かと何かの間に手を入れられて引っ張られるような。
目をつぶったまま呼吸を続けると、意識は遠退いていった。
暗い暗い空間の中。
光は届かないのに自分の姿ははっきり見える。
そして、ふっと顔をあげると…
目の前に由姫菜。基、自分自身がいた。
何故か泣きそうに顔を歪めている。
≪みさ…き…っ≫
『由姫菜…』
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