『そうですか?
僕も、先生が来てくれて嬉しいですよ』
振り向いてニコッと笑うと、紗江子は頬を赤らめ窓の外を見ている僕に抱き着く。
『先生…??』
吉「…私、最初にあったときから貴方が好きだったの
私、私…っ」
紗江子の手を握る。彼女がビクッとしたような気がした。
『そうやって、今まで男を誘惑してきたんですか??』
吉「…え??」
振り向いて笑うと、紗江子は目を見開いて僕を見つめていた。
吉「な…何を言ってるの…??」
『先生こそ、何を焦っているんですか??
僕が言ってることが嘘なら、慌てなくていいでしょう』
顔を真っ赤にさせて、腕を振り払う。
そして出口に向かっていった。
吉「大人をからかうのも大概にしなさい!!」
そう言って紗江子がドアノブに手をかけたのを、僕は後ろから歩み寄って抱き締めた。
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