放課後になり岬は部活に行こうと立ち上がる。
誰もいない教室を見渡しながら。




でも







優「し、椎名くんッ!」

岬「…どうしたの?」









突然現れた優子に腕を引っ張られていく。


ついた先は、資料室。












岬「どうしたの?
  悪いんだけど、部活があるから手短に済ましてくれるかな?」

優「わた、し…やっぱできない…ッ!」

岬「え??」

優「花恋に…あんな…んむッ!!」

岬「誰かいたらどうするの?

  無闇に人の名前出さないで」










優子の口を手で塞ぐ。優子は苦しそうに頷き、僕の手を掴んだ。










岬「どうしてできないの??」

優「…私…ね、確かに嫌、だった。苛められるの。
  だけど、やり返したい訳じゃない…!
  苛めの苦しみを知ってるからこそ、同じ苦しみを自分の手で与えたくない…ッ!!
  そんな人間になり下がりたくな…ッ!!
  きゃぁっ!!!」

岬「冗談じゃない」











岬は、優子を押し倒し馬乗りになる。

片手で両手を1つにまとめて上に置き、顔の横にも手をつく。
優子は目を見開いて岬を見つめた。

無表情な岬。心拍数、顔の赤みが増していく優子。










岬「苛めの苦しみを知ってるからこそ、同じ苦しみを味あわせてやるんだろ??
  あんな下等生物…、悔しくないの??」

優「し、椎名くんが私のためにやってくれようとしてるのはわかるけど…ッ!!

  私は…ッ!!」

岬「お前のため?」













無表情を打ち崩し、クスクス笑いながらSの笑みを浮かべる。冷徹で、怯えや、震えを誘う笑み。そして優子の耳元に口を寄せた。

















岬「優子のためなんて、僕は一言も言ってない」