全員は由姫菜の病室まで走り出していた。





途中で看護師に諌められても足は止まらず、そして荒々しげに扉を開く。






病室の中では、麗華が手紙を握って座り込み泣いていた。泣きすぎて過呼吸になっているくらい。







麗「っは…はぁっ、は…!!」

秋「棚秦!!棚秦…ッチ、麗華!!!」

麗「!!…っはぁ、あきも…と…!」

秋「落ち着け!!」







幹人は麗華の背をさする。そしてベッドの上に置いてある手紙を見て、全員は唇をかんだ。







壱「…由姫菜ちゃんは、今日を最後の日にしようと…

  だから、最期だから、あんなに楽しそうにしてたのかな…?」






恭二がつぶやくと、全員は拳を握る。









氷「…とにかく!!  探そう…!!」







玲衣が思いつめたように顔を上げると、全員も頷いて走り出した。





そして走り出そうとした秋本を幹人が止める。






秋「!…どうした…?」

麗「…私も、行く…!!」

秋「…麗華」

麗「由姫菜は…私のたった一人の家族だもの…!!」






そうして秋本の目を見つめたその瞳に迷いはなかった。幹人は麗華の手を握り走り出す。麗華は手紙を持っていないほうの手でぐっと涙をぬぐった。








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