そして、もう誰もいない音楽室へ向かい話を再開させた。













壱「…自分が求めている理想像を崩されたから殴ったんだよ??あり得ないよね…
  僕は彼等に理想を求めすぎたのかな。」









憧れに、"憧れの姿"を求めすぎていた。









『憧れに憧れを求めて何がいけないんでしょう??

 誰にだってコンプレックスはありますよ』










気づけば恭二は、自分の事を岬に話しまくっていた。過去の事、トラウマ、コンプレックス。



昔も誰かに話したな、と遠い記憶を遡らせるとそこに浮かび上がったのは




"由姫菜"だった






そうか、岬は由姫菜に似ているのか…








『それにしても、貴方は僕にぺらぺらと自分のこと…良かったんですか?』

壱「…クスッ、良かったのかな?
  なんか、由姫菜ちゃんに似てて…ついね」

『…そっか』








座っていた岬が立ち上がり、恭二に背を向ける。穏やかな雰囲気が一変。少し部屋が冷えた気がした。
























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