『俺たちは仲間だ』
うるさい…
『僕たちは仲間だよ』
うるさい…っ、うるさいうるさいっ
『マネージャーと選手?んなの関係ねえよ。俺達は同じ部活の部員なんだ。
だったら俺たちは仲間だ』
黙れ黙れ黙れ!
『俺たちが守ってやるさ』
「黙れ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ハアハアと息をしながら起き上がる。
何度も見る嫌な夢。仲間と言う足枷が私を縛り付けて離さない。
忌々しい記憶。
怒鳴り起きた為目が覚めた私は、体を起こした。
ベッドから下り、部屋に備え付けの洗面所で顔を洗う。
そしてカラコンを入れて制服に着替え、姿見の鏡の前に立った。
『今私はどっからどう見ても、男…うふふ…っ』
きれいに脱色された白色の髪。金色の瞳、男物の制服。
にやける口許を抑え私は部屋から出た。
部屋を出て、大広間に向かう。
大広間を抜けると食事をとるところがある。この時間帯にはいるはずだ。
アイツが。
『おはようございます。お父様』
父「おはよう由姫菜。…おぉ、見違えたもんだなあ…お前」
私を見て妖笑を浮かべる。
そう、父にはもう話を通してあるのだ。
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