好きとか、愛してるとかじゃなくて。 ただ、愛おしかった。 壊れないようにと愛想笑いしてる横顔が、いつも視界のどこかにあって。 俺の前でだけで顔出すようになった素顔が、とてつもなく、俺の心を占領したんだ。 この笑顔を、独り占めしたい、と。 『……っ。』 ―…夢のように、消えていく。 あの日笑いあっていた2人は、もう戻ってこない。 それでも美優は、俺がいなくても、自然に笑える方法を見つけていた。