先生は、わからない人。 なにを考えているのか、なにがしたいのか、探ろうとしても見抜くことはできない。 少し長めの前髪が、先生の心を隠してるみたいだ。 『……。』 ―…半透明な人だと、思った。 近づこうとすると、どこかに消えてしまいそうで。 中身が見えそうで決して見えない、半透明の人。 長い前髪も、黒縁メガネも、必要性のない時の白衣も、全部が私を遠ざけてるように感じる。