“遠くに、いくんだ” お姉さんが結婚するのと同時に、引っ越すと言った佑くん。 “結婚、するんだ” 結婚するから移動すると言った、先生。 「どうして美優が…?」 丁度、学校帰りだったのだろうか。 キーホルダー1つない、落ち着いたスクールバックを担いだ佑くんを見ると、頭の中の何かが繋がる。 「…姉貴、どういうこと?」 佑くんが理恵さんにそう尋ねた瞬間、それは確信へと変化していた。