可愛らしい、人。 特別ってわけじゃないけど、目がくるんとした明るい印象で。 手に持つお粥と、赤いミトンとエプロンが、彼女持ち前の愛らしさを引き立てている。 「あ、理恵…。」 先生が罰が悪そうに、彼女の名前を呼んだから。 だから彼女が、準備室で話した“あの”理恵さんなのだと、一瞬でわかった。 『……っ。』 この人が、先生の彼女さんなんだ。 認識した途端、醜い感情が胸を充満して。 綺麗な心で、理恵さんを見れなくなる。