と、いうことは。

もう1人の先生は、きっと先生のお兄さんだ。



準備室での話を思い出し、苦みを押し留めながらも、私の頭はきちんと理解する。



先生は一人暮らしじゃないんだな、って。

この人が“あの”お兄さんなんだな、って…。




「あれっ?美優ちゃん、目が覚めたの~?」




――場の空気を一気に変えてしまうような、明るい声だった。




『へっ…?』



その声に惹き付けられるように、思わず後ろを振り返って。

飲み込まれるように、釘付けになる。