どうせ別れが来るのならば、1人の生徒として。 …1人の、愛した人として。 先生の記憶に強く、残っていたい。 誰よりも、何よりも、先生の記憶に焼き付けたい。 決して忘れない人として、先生の記憶に生き続けてほしいの。 あなたは1ヶ月後、もうここにはいない。 『せんせ…っ』 ――フラッ、と。 大きく視界が揺れた。 フラッシュバックするかのように、後ろに下がる景色。 自分の体に、感覚がなくなるのを感じる。