まだ、私は頑張れるような気がした。


噂が本当かはまだわからないし、何より、彼の口から真実を聞いたわけじゃないから。



“俺だけを、見てろ”



私は先生だけを信じてる。

だからこそ、頑張れる。




『……っ。』



いつの間にか、爪の後が残ってしまうぐらい、強く手のひらを握りしめていて。


世界に私だけが浮き彫りのように、ちっぽけに見える。




怖い怖い怖い。

…でも、大丈夫。



私は、先生だけを見ていればいいんだよね?