ふと、目に入った指輪の存在。 私が先生のことを好きになる度に。 先生への想いが強くなる度に。 存在感を増している気がするのは、きっと気のせい。 『……っ、なんでもない…!』 ―…ねぇ、先生。 知らなくても良いものも、あるんだよね…? 『……。』 「……。」 待ち構えていたかのように、降ってきた沈黙。 その沈黙をごまかすかのように、私の頭を撫でる先生の手が早くなる。