声にならない感情が、胸の奥をグルグル回る。
この場から、抜け出したい。
この胸の内を全部、さらけ出してしまいたい。
佑くんは凄く素敵な人なんだよ、って。
爽くんよりも佑くんの方がかっこいいよって。
“爽くんの好きな人は、私だよ。”
そう言ったら、みんなはどんな顔をする？
『……っ。』
手のひらに爪の跡がついてしまうぐらい、手を強く握った。
抜け出したくて。なんだか泣きたくなって。
でも、泣くなんてことできなくて。
―…佑くんの元に行きたくなって。
もどかしいような、寂しいような、今にも涙が出そうな心境だったの。
