“遠くに、行くんだ。” あの時の切なそうに歪めた佑くんの顔が、今でも頭にこびり付いて忘れられない。 私たちが、別れる原因となった言葉。 気持ちはとっくのとうに踏ん切りはついていても、佑くんがいなくなることは実感できなくて。 受け入れることを拒否する私の心は、切なげにグルグル回っている。 今、私が好きなのは先生。 佑くんは、過去の人。 それでも、佑くんには私の見える範囲にいてほしいんだ。