『んー、そこまで仲良かったわけじゃないし。』
―…嘘。
本当は付き合っていて、毎晩電話するような関係だったのに。
弱くて、儚くて、壊れてしまいそうな私は、平気で嘘をつく。
「そうだよねー。あんな微妙な奴と美優は仲良くしないか。」
「親友の爽はイケてんのに、佑介の方は地味だよねー。」
興味がなさそうに賛同する紗耶香に、声が喉に詰まって出そうになった。
…違うよ。佑くんは、地味なんかじゃない。
静かだけど、爽くんのことをちゃんと支えていて。
年上みたいな感覚に陥る笑顔が、優しくって。
爽くんに負けないぐらい、本当は素敵な人なんだよ。