告白は叶わなかったはずなのに、全然気まずくない。


“居場所”にも、ちゃんと毎日通ってる。




『…多分。』




あの日からの私と先生の空間は、どことなく甘いものになっていた。



私が“先生”と呼べば、先生は髪を撫でてくれる。


先生も、まるで宝物を扱うかのように、“美優”って呼んでくれるの。



先生の目が、口元が、腕が、仕草が。

私を大切に扱ってくれているのが伝わる。



授業中はこんな風に素っ気ないけれど、私たちの間には確実に、普通の生徒と教師ではないものが存在していた。