―…だって、嬉しかったんだ。 先生が好きな人はいないと言ったことが、何よりも、ずっと。 嘘をつかれているとわかっていても、嬉しかった。 『本当に信じてる。』 だから、そんな面を喰らったような顔をしないで。 嘘なんか、見抜きたくない。 だって、私はきっと…。 「――ありがとう。」 その言葉さえあれば、ずっと先生の隣にいられる気がするから。