先生に促され座った椅子は、使い慣らされてないのか、クッションの部分が少し堅くて。
思わず、小さく眉を真ん中に寄せてしまった。
『……。』
座ったのはいいけど、ここから一体何をすればいいんだろう。
先生も先生で、一向に黙ったままだし。
どことなく落ち着かない私は、持ってきたお弁当の包みのリボン結びを指で弄ぶ。
『……ねぇ。』
別に、居心地が悪いわけではないの。
前々から思っていたけど、先生との沈黙は息苦しいものではないし、嫌いじゃない。
ただ、今はいつもと少し違う空気に、戸惑いを隠せないだけ。
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