いつの間にか、あなたは私の“かけがえのない人”になっていった。
いつの間にか、私があなたを支えなきゃいけなかったのに、あなたが私の“甘える場所”になっていた。
綺麗な自分を見せて弱みをぶつけるだけで、私は結局、あなたのことを何もわかってなかったみたいで。
あなたが見せた小さな変化を、私は見逃し続けていたの。
―…お姉さん、結婚するんだね。
“俺、遠くに行くんだ”
“引っ越しをする”
さすがに、佑くん１人をここに残しておくのは無理だから。
結婚でこの土地を離れるお姉さんに、佑くんは着いていくらしい。
