『……っ。』
アルバムをめくる手を止め、下を見ながら静かに下唇を噛む。
たった一枚の写真を見つめながら、こみ上げる感情を無理やり心に押し留めた。
―…最初は、佑くんのことを恋愛感情で見ていなかった。
ただ、佑くんの家庭が複雑なことを知ってたから。
事実上の引き取り手と呼ばれる“親”はいるけど、ほとんどお姉さんと2人暮らしなこと。
佑くんが苦しい思いを抱えながら、家事をやっていること。
全部、全部、知っていたから。
同情にも似た気持ちで、あなたの告白に応えたの。
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