「…俺は、今の時間授業ないから、いーの。」 いつもと変わらないように。だけど、慎重に言葉を選んだように声を発するのは先生。 口では何も言っていないけど、先生の目が私に何かを訴えている。 それをあえて気づかないフリした私は、やっぱり私でしかないのかもしれない。 『…でも。校内で喫煙は禁止でしょ?』 笑ったフリして。 冗談を言葉に交えて。 傷ついてなんかないように、装う。