グチャグチャになった、タバコ。

いつもは付けていない、黒縁メガネ。



先生は瞬きを繰り返しながら、私を視線に捉えて動かない。


まるで、私の心のなかを覗こうとしているみたいだった。




『……。』

「…まだ、授業中だぞ?」



少し、落ち着きを取り戻した声。



そんな先生を直視することができない私の瞳は、静かに揺れる。




『…先生だって。』



まるで、声までが揺れてるみたいだった。