鬼咬兇はふいに立ち上がると今までとは比にならない早さで猛突進してきた

そしてその勢いのまま出刃包丁を雪目掛けて降りおろす


地面と出刃包丁が対立し、爆音とも言える音を響かせた

それによって地は地震の様に揺れた



神「雪っ!!」


死神は揺れに膝を付きながらも雪の安否を心配する



時「……漸く本気になったか。…地獄の番人、鬼咬兇」




もくもくと立ち上がる砂煙の中、地面にうつ伏せる雪の姿が見えた


どうやら雪はギリギリの所で転がり避けたようだ



雪「…っ…(ヤバイな…まだ原田や山南さんの技もあったけど、それどこじゃないか…」



雪は立ち上がると受けの構えを取る



そして鬼咬兇が獣の様な叫びを上げながら出刃包丁を振り切った


それを刀で受けた雪は思い切りふっ飛び、数十メートル先の地面に叩きつけられた




神「雪ぃぃぃぃい!!」


叩きつけられた雪の至るところから流血し、表情はみえない



死神が何度叫びを上げようが、雪はピクリとも動かない




時「……終わったか」