時「じゃ、早速始めようや」



時神の緊張感の欠片もない一言から場の空気が一変した


雪は顔を引き締め、一つ息を吐くと腰にある刀…皐月をゆっくりと抜刀した



既に死神と時神は離れた場所に移動していた

死神は不安気な表情を浮かべている


辺りにはピリピリとした殺気が飛んでいる


その殺気は雪からなのか、はたまた鬼咬兇からなのか……。



雪は静かに刀を構えた

鬼咬兇も背に背負っていた刀を鞘から抜いた


雪「!………」


鬼咬兇が抜刀した瞬間雪の眉がピクリと動き、少しの動揺を見せた


それもそのはず、鬼咬兇の持つ刀ひ普通とは明らかに違う




………まるで出刃包丁を巨大化させたような物だ。



雪「(何だよコレ、鬼に金棒じゃなくて鬼に出刃包丁(巨大化)だな。
大層な獲物をお持ちで……。)」




雪の首を一筋の汗が通った