【完】優しい彼の温もりに包まれて

----ガチャ


この屋上の扉の音、案外響くんだよな


古いわけでもないんだけど…


見渡してみると隅っこに寝転がりタオルを顔に掛けて寝ている瑠夏の姿


「瑠夏…?」


俺は近寄りに声を掛けてみる


「…ん、何?」


「大丈夫か?」


「大丈夫…じゃない」


瑠夏にしては素直だな


「手を握ってて良い?」


ゆっくりと俺の手を握って来た


瑠夏の手…熱い。


「起き上がれるか?」


俺が聞くとゆっくり起き上がった


「こっちにおいで?」


手を広げるとニコッと笑って抱き着いて来た


「保健室行かないのか?」


「行かない。あたし保健室の先生嫌い」


あの先生…人の好き嫌いが激しい人だからな


俺も好きじゃないけど…