五月の連休が終わった頃、僕はまた高橋先生に呼び止められた。


「おぉ、瀬野。頼みがあるんだけどな…」


「なんですか?また、写真撮れって…」


「勘がいいじゃねーか」


…勘って先生が僕を呼びとめて頼みがあるって言うのはそれくらいしかないから…


少しふてくされながら聞く。


「今度は何の試合ですか?」


「試合じゃなくてさ、結婚式」


「結婚式?誰の?」


先生の変化球の返事にちょっと驚く。先生は結婚しているし、子どもはまだ小さい。一体誰のだ?それに結婚式ならプロの写真屋がつくはずなのに、なんで僕?色々な?が取り巻いた。