閉館を知らせる館内放送と優しいメロディが流れてきた。


「写真撮ってもいいかな…」


僕は少しうるんだ眼をしたルカに言った。


「写真できたら送るよ。これ見ればここに来れなくても友達に会えて癒されるでしょ」
ルカは今までの中で最高の笑顔で白イルカ達との写真に入った。



「あのさ、これからルカが泣くことがありませんようにって…お願いしたから…」


僕はイルカ達に…頼むぞ…というように力を込めて言った。


「お願いって?誰に…」


「…秘密だよ。でも、お願いしておくから…」



「ありがと」



きっと願いは聞いてくれるはずだ。と水族館を後にしながら僕は思っていた。