その頃だった…跳ぶことから僕は飛ぶことを考えるようになった。


その日も僕は空を飛んでいた。


バーを持って目標を見つめる。


体重を前から後ろへ移動させ、バーを持ち上げ走り始める。


バーがしなり体がふわっと上がった瞬間だった。


突然の風が目の前を真っ暗にした。


…どうして…


一瞬の出来事だったと思う。


でも、僕には全てがまるでスローモーションのようにみえた。


強い風が僕を押し返す。


まずい…倒れる…


とっさに体を前方に向けた。


体のバランスは崩れ、まるで頭、腕、胴体、足がバラバラになる感覚がした。


後は、どうなったのか覚えていない。


気がついたときは、病院のベットの上にいた。