「わたしお化けとか本気で苦手で。でもここってお化け屋敷なんでしょ?お化けが出るのかと思って怖かった」


わたしが言い終わると真の口角が上がった。

それは初めてわたしに見せた真の笑顔だった。

ニコッとまではいかないものの、笑っているのは確か。


そんな真の笑顔にわたしは見とれた。



「出ねぇよ」

「出ねぇ?」

「お化けなんか出ねぇ」

「だって“お化け屋敷”だよ?」


お化け屋敷はお化けが出るからお化け屋敷なんだよ?

お化けが出なかったらただの屋敷だよ?



「出ねぇもんは出ねぇんだよ」


真は“出ねぇ”としか言ってくれない。

そんなんで信用出来るか!

怖いもんは怖いんだよ!