「ふっ…あっあぁっ……!!」

躯をしなやかにくねらせ、僕を見る彼女。

僕は彼女のことを何も知らない。
知りたいことは沢山あるし、聞きたいことも山ほどある。

でも、

「んっ……ぁあ!!…」

妖艶に啼く彼女に、全てを任せて…眠ってしまうから。

僕は話さないまま、彼女は出て行ってしまう。

「ねぇ…っ、貴方の…名はっ?」

もう達しそうなのに、苦しそうな表情でそう云った彼女。

だから僕は、

「君の………君の名は?」

口走っていた。
自分の願望が、先に出てしまったんだ。